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【人間福祉学コース】教員インタビュー 志賀 信夫

印刷用ページを表示する 2023年8月31日更新

教員インタビューPart4 志賀 信夫 先生

主な担当科目   :児童?家庭福祉(学部)、福祉と社会問題(学部)、公的扶助特論(大学院)

研究キーワード:貧困理論、社会的排除論、社会開発論

趣 味      :水木しげるさんの作品が好きです。

shiga

Q1  今現在取り組んでいる研究を紹介してください。

  主に、貧困?格差?不平等に関する理論研究を行っています。具体的には以下の3つを軸にした研究を進めています。

(1)「貧困とは何か」にかかわる研究。これまでに『貧困理論の再検討』(法律文化社)、『貧困理論入門』(堀之内出版社)を刊行しています。

(2)「貧困を生み出す社会構造から考える貧困対策」にかかわる研究。特に、「階級関係」に着目して研究をすすめています。

(3)「差別と貧困からみる公害問題」にかかわる研究。企業主義的開発主義と植民地主義が差別と貧困をどのように利用したのかについて追究しています。

Q2  専門分野を志すようになったきっかけがあれば教えてください。

​ 理不尽な社会に対する怒りがきっかけです。私たちが生きる資本主義社会では、生活に必要な物の圧倒的大部分が商品化され、その諸商品にアクセスするためにはお金が必要になっています。お金を獲得するために、いやな労働にも従事せねばならなかったり、大きな犠牲を払わねばならなかったり???そんなことがこの社会では日常化しています。お金がなければ、すぐに貧困を強制されてしまいます。貧困は、戦争と同じように、人間から尊厳や生活や生命を剥奪する人工的に構築されたシステムです。このようなシステムを含む社会を私は受けいれることができません。だから研究を志しました。

Q3 最近行った地域貢献があれば紹介してください。

 地域貢献ではないかもしれませんが、2013年から行われた生活保護基準引き下げに関する裁判(いのちのとりで裁判)のお手伝いをしています。「いのちのとりで裁判」についてご存じない方はインターネットで検索してみてください。

 裁判では、生活保護基準の引き下げが「社会的排除」「差別」「構造的暴力」の複合的実践であり、これを司法が追認すべきでないことを研究者として訴えました。